さて、昨日の話をしようか。
眠れぬまま明け方に前日の出来事を書き、朝食をとったあと何をしたのだったか。



ティーさんに電話をしたことは覚えている。以前エキストラにいった作品のアフレコに関してだったのだが、まだ動き始めたばかりで明日のこともいまひとつわからない身としては、気軽に受けて結果としてブッチしてしまったらどうしようという不安もあったので、どうしようかと思いながらかけたのだが、どうやら監督からまあ別にいいやという判断が出たらしく、時間があったら立ち寄ってみてくださいと、ホッとするやら拍子抜けやら。



それから、ふっつり二時間ばかりクッションを枕に居間で眠ったような気がする。



アテネ・フランセ文化センターでやっていた、ストローブ=ユイレの『労働者たち、農民たち』を見にいこうとしていた。日本語字幕付ではまだ見たことがなかったからだ。13:30の回には間に合わないことがわかったので16:30の回にいこうと決め、家にいるとまた眠ってしまいかねないので、早めに神保町へと出かけることにした。しかしこれが裏目に出た。前日は終電まで外でふらふらし、寝不足で、なおかつこの二週間ばかりに疲労も抜けきらぬまま、梅雨の前の晴れ間のなかを、そちこちの古本屋をめぐっているうちにぐったりしてしまい、気力も萎え、千代田区なので煙草も吸えず、もうすっかりまいって喫茶店に入り、アイス・カフェ・オ・レを頼み、煙草をふかしながら、阿部和重の『映画覚書vol.1』のつづきを読み始めたときには、『略称・労農者たち』は諦めることにした。まったくいやになる。



帰宅後、夕食をとりテレヴィを見ながら、またクッションを枕に眠ってしまう。



そしてなんてことだ。また夜は眠られなかったのである。



カフェイン剤とコーヒーでむりから眠気覚ましに。しかしなにも手につかない。頭もぼうっとしている。身体もだるい。したことといえばトルストイの「にせ利札」を読んだことぐらいか。こんなに人がバカバカ死ぬ小説だとは思ってもみなかった。他にはガス・メイターの交換工事があったこと、新聞の集金で二ヶ月分支払ったこと。そしてまた二時間ぐらいぶっ倒れた。



つらいことだが、いまこれを書いているのは月曜の午前四時過ぎ。そう、まただ……。