目覚めて一等最初に頭に浮かんだのは昨日のあれは斉藤由貴じゃなくて薬師丸ひろ子じゃないのかいやそうだ多分そうだ高確率でそうだ半覚半睡で携帯から更新なんかするからだという悔恨の思いで次に浮かんだのは目覚めて一等最初に頭に浮かぶのが錯誤であれ勘違いであれポカであれ日記の記述についてでありあまつさえ悔恨の思いまで感じてしまうことに対してのやりきれなさで虚脱していると携帯のランプが青く点滅しておりチェックすると「『イノセンス』を見に行くので連絡せよ」とのメイルが入っていたので我々は一路池袋に向かったのだった。


身の回りでは「見終えた後に沈黙を強いる映画」とのもっぱらな評判だった『イノセンス』だが我々は大いに語らい大いに喰らいその内容の九分九厘が無垢とは関係がなかったとしてもそう易々と「沈黙」なんぞに屈しなかったことの満足感と満腹感に包まれながら互いの健闘を祈りつつ別れ帰路の車中で台詞が難解との意見もあったがあれは難解というより珍妙というべきではないかと思いいや今日は頭に思いが浮かびすぎ自重せねばと思いを沈めた。